“ナグルファルの夜”が起きた現実世界“真世界<ディストピア>”
7年前に起きた大災害“ナグルファルの夜”。
既に起こっていた人間同士の世界大戦の裏で、突然起こった前代未聞の怪現象にして大災害。
戦争での影響とは別で、地殻変動が起こり、地上が海に埋没するなど土壌が崩れ去り、元々土地があった場所も大きく変化した現実世界。
目に見える地殻変動の裏では、後に“パラレルアウト”と呼ばれる巨大な空間の裂け目が発生する現象が起こり
そこから人体に悪影響を及ぼす、“瘴気”が漏れだしていた。
それを浴びた人間は、“身体に異常をきたし、必ず死ぬ”
事実、瘴気を浴びた人間は、解明されていない新種の奇病として、数日後に謎の死を遂げていた。
体の至るところの皮膚が硬質化した後、炭化して崩れ去る人間達。そして死が訪れる。
彼らはの奇病は現代医学のどれとも説明が付かなく、程なくして数万人規模のバイオハザードとなった。
人々はこの現象を“ナグルファル症候群”と呼ぶようになった。
“アーカイブスクエア”製薬の特効薬“AS9(エーエスナイン)”による収束
大災害“ナグルファルの夜”の地殻変動に対して取った人間たちの行動は、土地の確保と生存・復興だった。
大地の形が変わり海に沈んでしまった地域を避け、都市機能の正常化を目指し新たな中枢を構築した。
かつてこの国の首都と呼ばれた部分は地殻変動の影響を受け大打撃を受けたが、都市機能の中枢を移動させ、
その機能の回復は順調に進み今や7年前とほとんど見た目が変わらない程までの復興を成し遂げた。
これらの復興は、奇病と恐れられた“ナグルファル症候群”を収束に向かわせた“アーカイブスクエア”社の功績によるものが大きかった。
特効薬を開発したアーカイブスクエアは、その後大きく発展し、世界の至るところで経済の復活に貢献していき、
いまやコンビニやデパートなどでも“アーカイブスクエア”のロゴを目にする機会はあたり前となっている。
復興した現代、そして・・・新たな事件の兆しが見え始める
日常生活が戻り落ち着きを取り戻した人々。以前と大きく変わったところがないわけでもない。
アーカイブスクエア社による政治への介入が功を奏し、以前よりも住みやすい社会へと移り変わっていった。
独占的な私欲を求めた介入ではなく、率先した安定を求める、人々に暮らしやすい社会になった。
迅速な対応で奇病を収束させた“AS9”に関しては、政府機関でも把握出来ていない新薬として現在解析中であり、
アーカイブスクエア社からも具体的にどういうモノかの説明はなされていない。
そんな中、ふたつのニュースが世間を騒がせていた。
今まで普通に生活していた人間が超能力を使えるようになった!、という噂。
殺しの動機が見えない、殺しの方法が不明な猟奇殺人が頻繁に発生しているという噂。
7年前突然起きた“ナグルファルの夜”、特効薬“AS9”、“超能力の噂”、“猟奇殺人の噂”。
今何かが起こり始めている・・・。
二人の主人公の日常
復興がほぼ終わっている都市エリアに住む主人公である水瀬優真は、学園に通いつつも、仕事もこなす、疲れを見せないポジティブな少年。
地殻変動により放棄されたエリアに住む主人公である赫は、謎の青年。
この二人の偶然に見える宿命の出会いが、この先に待っている数奇な運命を繰り広げていく。